ビジネスシーンや日常会話で「どちらでもいい」と伝えたい場面は多々ありますが、そのまま使うと相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
特に上司や取引先との会話では、より丁寧で好印象な表現を使うことが重要です。
この記事では、「どちらでもいい」の適切な言い換え表現を状況別に詳しく解説し、ビジネスシーンで実際に使える例文もご紹介します。
相手に敬意を示しながら、自分の気持ちを正確に伝える表現方法を身につけましょう。
「どちらでもいい」の言い換え表現一覧|丁寧さ・状況別に紹介
「どちらでもいい」という表現は、そのまま使うと無関心や投げやりな印象を与えてしまいます。
相手や状況に応じて、より適切な表現を選択することが大切です。
【基本】クッション言葉を使った丁寧な言い換え表現
最も基本的で汎用性の高い言い換え表現として、クッション言葉を活用したものがあります。
クッション言葉とは、相手への配慮や敬意を示すために文章の前後に添える言葉のことです。
「恐れ入りますが、どちらでも構いません」
相手への配慮を示しながら自分の意見を伝える代表的な例です。
「恐れ入りますが」というクッション言葉により、相手に負担をかけることへの謝罪の気持ちを表現できます。
「申し訳ございませんが、どちらでも結構です」
相手への配慮を示す表現として効果的です。
「申し訳ございません」により、相手に判断を委ねることへの謝罪の気持ちを込めることができます。
「お忙しい中恐縮ですが、どちらでもよろしいです」
特に相手の時間を割いてもらっている場面で使用すると良いでしょう。
相手の状況への配慮を示しながら、自分の柔軟性をアピールできます。
【好印象】ポジティブな気持ちが伝わる言い換え表現
単に「どちらでもいい」と伝えるのではなく、前向きな気持ちを込めた表現を使うことで、相手により好印象を与えることができます。
「どちらも魅力的ですので、お任せいたします」
提示された選択肢に対する肯定的な評価を示しながら、相手に判断を委ねる気持ちを表現できます。
この表現により、相手の提案に対する敬意と信頼を示すことができます。
「どちらも素晴らしいご提案ですので、ご判断にお任せします」
相手の提案への高い評価を示しながら、判断を委ねる表現として効果的です。
特にビジネスシーンでの企画提案や商品選択の場面で使用すると良いでしょう。
「どちらでも喜んでお受けいたします」
相手の提案に対する積極的な姿勢を示す表現として優れています。
この表現により、相手との協力関係を築きながら、自分の柔軟性をアピールできます。
【謙譲】相手に敬意を示し判断を委ねる言い換え表現
謙譲の気持ちを込めた表現を使うことで、相手への深い敬意を示しながら、判断を委ねることができます。
「ご判断にお任せいたします」
相手の判断力や決定権を尊重する気持ちを表現する代表的な表現です。
この表現により、相手の立場や経験を認めながら、自分の謙虚な姿勢を示すことができます。
「○○様のご判断を信頼しております」
相手への信頼を明確に示しながら、判断を委ねる気持ちを伝えることができます。
相手の名前を入れることで、より個人的で丁寧な印象を与えることができます。
「専門的なご判断をいただければと存じます」
相手の専門性や経験を認めながら、判断を求める表現として効果的です。
特に技術的な内容や専門分野に関する判断を求める場面で使用すると良いでしょう。
【簡潔】熟語や慣用句を使った知的な言い換え表現
熟語や慣用句を使った表現は、簡潔でありながら知的な印象を与えることができます。
「一任いたします」
「どちらでもいい」という気持ちを最も簡潔に表現する熟語です。
この表現により、相手への全面的な信頼を示しながら、判断を委ねる気持ちを伝えることができます。
「お任せします」
シンプルでありながら相手への信頼を表現する効果的な表現です。
日常会話からビジネスシーンまで、幅広い場面で使用できる汎用性の高い表現といえます。
「ご一任いただければと存じます」
より丁寧で格式高い表現として、重要な場面や目上の方との会話で使用すると良いでしょう。
この表現により、相手への深い敬意と信頼を示すことができます。
ビジネスシーンで失礼にならない「どちらでもいい」の伝え方【例文付き】
ビジネスシーンでは、相手の立場や状況に応じて、より適切な表現を選択することが重要です。
具体的な場面別に、実際に使える例文をご紹介します。
上司や目上の方への返答で使う場合の言い換えは?
上司や目上の方に対しては、特に丁寧で敬意を示す表現を使用することが大切です。
相手の立場や経験を認めながら、自分の謙虚な姿勢を示す表現を選びましょう。
上司から「AプランとBプラン、どちらがいいと思う?」と聞かれた場合
「どちらも興味深いご提案ですので、部長のご判断にお任せいたします」と答えることで、上司の提案への評価を示しながら、最終的な判断を委ねる気持ちを表現できます。
また、「恐れ入りますが、どちらも魅力的なプランですので、ご経験豊富な部長のご判断を信頼しております」という表現も効果的です。
この表現により、上司の経験や判断力を認めながら、自分の謙虚な姿勢を示すことができます。
スケジュール調整の場面
「お忙しい中恐縮ですが、どちらの日程でも調整いたします」と答えることで、上司の都合を最優先に考える姿勢を示すことができます。
取引先との日程・スケジュール調整で使う場合の言い換えは?
取引先との日程調整では、相手の都合を最優先に考える姿勢を示しながら、自分の柔軟性をアピールすることが重要です。
「来週の火曜日と水曜日、どちらがご都合よろしいでしょうか」と聞かれた場合
「どちらの日程でも問題ございません。○○様のご都合に合わせて調整いたします」と答えることで、相手への配慮を示しながら、自分の対応力をアピールできます。
会議の時間帯について聞かれた場合
「午前・午後のどちらでも結構です。皆様のご都合に合わせて参加いたします」と答えることで、参加者全体への配慮を示すことができます。
場所の選択について聞かれた場合
「どちらの会場でも構いません。アクセスのよい方をお選びいただければと存じます」と答えることで、実用性を重視する姿勢を示すことができます。
会議で意見を求められた際の適切な言い換えは?
会議で意見を求められた際は、建設的な姿勢を示しながら、他の参加者の意見を尊重する表現を使うことが大切です。
「この件について、どう思いますか」と聞かれた場合
「どちらのご意見も的確で、私としてはどちらでも賛成いたします」と答えることで、他の参加者の意見への評価を示しながら、自分の協調性をアピールできます。
複数の案から選択を求められた場合
「どの案も良く練られており、チーム全体のご判断にお任せいたします」と答えることで、チームワークを重視する姿勢を示すことができます。
優先順位について聞かれた場合
「どちらも重要な課題ですので、皆様のご意見を伺いながら決めていただければと存じます」と答えることで、民主的な決定プロセスを尊重する姿勢を示すことができます。
【そのまま使える】ビジネスメール・チャットの言い換え例文
ビジネスメールやチャットでは、文字だけで相手に気持ちを伝える必要があるため、より丁寧で配慮のある表現を使うことが重要です。
日程調整のメール
「お忙しい中恐縮ですが、下記日程のいずれでも調整可能です。ご都合のよろしい日時をお選びください」という表現が効果的です。
この表現により、相手への配慮を示しながら、自分の柔軟性をアピールできます。
企画提案への返答
「どちらのご提案も素晴らしく、私どもとしてはどちらでも喜んでお受けいたします。最終的なご判断は○○様にお任せいたします」と答えることで、提案への評価を示しながら、相手の決定権を尊重する姿勢を表現できます。
チャットでの簡潔な返答
「どちらでも構いません。お任せします」という表現が適切です。
短文でありながら、相手への配慮と信頼を示すことができます。
なぜ「どちらでもいい」を避けるべき?相手に与える印象とNGな理由
「どちらでもいい」という表現は、使い方によって相手に様々な否定的な印象を与えてしまう可能性があります。
その理由を詳しく理解することで、より適切な表現を選択できるようになります。
「無関心」「投げやり」と受け取られるリスク
「どちらでもいい」という表現は、相手に対して無関心や投げやりな印象を与えてしまう最大のリスクがあります。
特に重要な決定や相談事において、この表現を使うことで、相手は自分の提案や相談に対して真剣に考えてもらえていないと感じてしまう可能性があります。
このような印象を避けるためには、「どちらの時間帯でも参加いたします。皆様のご都合に合わせて調整いたします」といった、積極的な姿勢を示す表現を使うことが重要です。
また、恋人や友人との日常会話でも、「今日の夕食、和食と洋食どちらがいい?」と聞かれた際に「どちらでもいい」と答えると、相手は一緒に食事を楽しもうとする気持ちが感じられないと受け取ってしまう可能性があります。
相手に判断を丸投げする失礼な印象
「どちらでもいい」という表現は、相手に判断を完全に丸投げしてしまう印象を与えることがあります。
特に重要な決定や責任を伴う場面では、この表現により相手に過度な負担をかけてしまう可能性があります。
ビジネスシーンにおいて、上司から「この件、A案とB案どちらで進めよう?」と相談された際に、「どちらでもいいです」と答えてしまうと、上司は部下からの意見や支援を期待していたにも関わらず、すべての責任を一人で背負わなければならないと感じてしまいます。
このような状況では、「どちらの案も良い点がありますが、私としては○○の理由でA案を推奨いたします。ただし、最終的なご判断は部長にお任せいたします」といった、自分の意見を示しながら相手の決定権を尊重する表現を使うことが適切です。
友人関係においても、「今度の旅行、山と海どちらがいい?」と聞かれた際に「どちらでもいい」と答えると、相手は旅行プランを一人で決めなければならないプレッシャーを感じてしまう可能性があります。
ビジネスでは「思考停止」と見なされる可能性
ビジネスシーンにおいて「どちらでもいい」という表現は、思考停止状態にあると見なされる危険性があります。
特に重要な判断や戦略的な決定を求められる場面では、この表現により専門性や判断力を疑われてしまう可能性があります。
このような場面では、「どちらのターゲット層にも魅力はありますが、現在の市場データを見ると30代の方が購買意欲が高い傾向にあります。ただし、長期的な視点では20代の獲得も重要です。詳細な分析結果をお示しして、ご判断いただければと存じます」といった、専門的な分析に基づく意見を示すことが重要です。
また、プロジェクトリーダーが「開発手法、アジャイルとウォーターフォールどちらがいい?」と聞かれた際に、「どちらでもいい」と答えると、プロジェクト管理の専門性や責任感を疑われてしまう可能性があります。
「どちらでもいい」と「なんでもいい」の正しい使い分け
「どちらでもいい」と「なんでもいい」は、似ているようで実は使用する場面が異なります。
正しい使い分けを理解することで、より適切な表現を選択できるようになります。
「どちらでもいい」が適切なのは二者択一の場面
「どちらでもいい」は、文字通り二つの選択肢から一つを選ぶ場面で使用する表現です。
この表現は、提示された二つの選択肢に対して、どちらを選んでも構わないという気持ちを表現する際に使用します。
この場合、コーヒーと紅茶という二つの選択肢に対して、どちらを選んでも満足できるという意味になります。
ビジネスシーンでは、「会議室AとB、どちらを予約しましょうか?」と聞かれた場合、「どちらでも構いません」と答えることが適切です。
この表現により、どちらの会議室でも会議の目的を達成できるという意味を伝えることができます。
スケジュール調整の場面でも、「来週の火曜日と水曜日、どちらがご都合よろしいでしょうか?」と聞かれた場合、「どちらでも調整いたします」と答えることで、両日とも対応可能であることを示すことができます。
「なんでもいい」を使うのは選択肢が複数ある場面
「なんでもいい」は、三つ以上の選択肢がある場面、または選択肢が明確に限定されていない場面で使用する表現です。
この表現は、複数の選択肢の中から何を選んでも構わないという気持ちを表現する際に使用します。
ただし、この表現は相手に無関心な印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
「今度の週末、どこに行きたい?」と聞かれた場合も、選択肢は映画館、ショッピングモール、公園、美術館など多数あるため、「なんでもいい」という表現の使用場面に該当します。
ビジネスシーンでは、「次のプロジェクトの進め方について、何かご意見はありますか?」と聞かれた場合、進め方の選択肢は無数にあるため、「なんでもいい」という表現の使用場面に該当します。
ただし、この場合は「特にご意見はございません」や「皆様のご判断にお任せいたします」といった、より丁寧な表現を使用することが適切です。
「なんでもいい」をポジティブに言い換えるなら?
「なんでもいい」という表現も、「どちらでもいい」と同様に、相手に無関心や投げやりな印象を与えてしまう可能性があります。
この表現をよりポジティブに言い換えることで、相手に好印象を与えることができます。
「何を選んでも楽しめそうです」
複数の選択肢に対する前向きな気持ちを表現する効果的な言い換えです。
この表現により、どの選択肢に対しても積極的に取り組む意欲を示すことができます。
「どの選択肢も魅力的ですね」
選択肢への肯定的な評価を示しながら、相手の提案に対する敬意を表現できます。
この表現により、相手の提案力や企画力を認めながら、自分の柔軟性をアピールできます。
「お任せします」
相手の判断力や決定権を尊重する気持ちを表現する簡潔で効果的な言い換えです。
この表現により、相手への信頼を示しながら、協調性をアピールできます。
「皆様のご意見に合わせます」
集団での決定に対する協調性を示す効果的な言い換えです。
この表現により、チームワークを重視する姿勢を示すことができます。
「どちらでもいい」の言い換えに関するよくある質問
「どちらでもいい」の言い換えに関して、多くの方が疑問に思う点について詳しく解説します。
正しい敬語の使い方や、国際的なビジネスシーンでの表現方法を理解することで、より適切なコミュニケーションが可能になります。
「どちらでも構いません」は敬語として正しいですか?
「どちらでも構いません」は、敬語として正しい表現です。
この表現は、「構う」という動詞に「ません」という丁寧語を付けた形で、相手に対する敬意を示しながら、自分の意見を伝える適切な表現となります。
「構いません」という表現は、「差し支えありません」「問題ありません」という意味を持ち、相手の提案や選択に対して同意する気持ちを丁寧に表現する際に使用します。
ビジネスシーンでも日常会話でも、幅広い場面で使用できる汎用性の高い敬語表現です。
ただし、より丁寧な表現を求められる場面では、「どちらでも結構です」や「どちらでもよろしいです」といった、さらに敬意を示す表現を使用することが適切です。
「結構です」は「十分です」「満足です」という意味を持ち、相手の提案に対する肯定的な評価を示すことができます。
「どちらでも構いません」を使用する際の注意点として、相手や状況に応じて適切な敬語レベルを選択することが重要です。
目上の方や重要な取引先に対しては、「どちらでも構いません」よりも「どちらでも結構でございます」といった、より丁寧な表現を使用することが望ましいでしょう。
英語で「どちらでもいいです」と丁寧に伝えたい場合は?
国際的なビジネスシーンでは、英語で「どちらでもいい」という気持ちを丁寧に表現する必要があります。
直訳的な表現では、相手に無関心な印象を与えてしまう可能性があるため、適切な英語表現を選択することが重要です。
最も一般的で丁寧な表現として、「Either would be fine with me」があります。
この表現は、「どちらでも私には問題ありません」という意味で、相手の提案に対する柔軟性を示しながら、丁寧な印象を与えることができます。
「I’m flexible with either option」という表現も効果的です。
この表現により、「どちらの選択肢に対しても柔軟に対応できます」という意味を伝えることができ、協調性と対応力をアピールできます。
より丁寧な表現として、「I would be happy with either choice」があります。
この表現は、「どちらの選択でも喜んでお受けします」という意味で、相手の提案に対する前向きな気持ちを表現できます。
ビジネスシーンでは、「I’ll leave it up to your discretion」という表現も適切です。
この表現により、「あなたの裁量にお任せします」という意味を伝えることができ、相手の判断力や決定権を尊重する姿勢を示すことができます。
相手への配慮を示す表現として、「Whatever works best for you」があります。
この表現は、「あなたにとって最も都合の良い方を選んでください」という意味で、相手の都合を最優先に考える姿勢を示すことができます。
まとめ
「どちらでもいい」という表現は、使い方によって相手に様々な印象を与えてしまう可能性があります。
相手や状況に応じて適切な言い換え表現を選択することで、より良好なコミュニケーションを築くことができるでしょう。
特にビジネスシーンでは、相手への敬意と自分の協調性を示す表現を使用することが重要です。
この記事でご紹介した表現を参考に、状況に応じた適切なコミュニケーションを心がけてください。