引っ越しシーズンになると、「業者に頼むほどじゃないけど、自分で荷物を運びたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
特に一人暮らしの引っ越しでは、大きすぎず小さすぎない車両が求められます。
そんな中、よく候補に上がるのが“ハイエース”。でも実際のところ、どのくらい荷物が入るのかが気になりますよね。
「シングルベッドは積める？」「冷蔵庫は立てて入る？」といった疑問から、「段ボールは何箱入る？」という具体的な想定まで、この記事では実際に一人暮らしの荷物をハイエースに積む場合に焦点を当て、荷室サイズや家具・家電ごとの積載目安、レンタカーの活用方法まで徹底的に解説します。
これから引っ越しを控える方は、ぜひ参考にしてください。
ハイエースで引っ越しできる荷物の目安とは？
まず確認！ハイエースの荷室サイズと積載量
ハイエースの代表的なモデル「ロング・標準ボディ・標準ルーフ」の荷室サイズは、長さ約3000mm×幅約1500mm×高さ約1420mm程度。
積載重量はおよそ1000kg前後で、家具や家電をある程度まとめて積み込むには十分な容量があります。
ただしグレードやオプションによって若干異なるため、実際の寸法は事前に確認が必要です。
引っ越し用に使われるグレード（スーパーGL・ロング・ワイドなど）の違い
引っ越しに多く使われるのは「ロング」または「スーパーロング」タイプのハイエースです。
ここでは代表的な3種類のボディタイプを比較し、それぞれの特徴を表で整理します。
ハイエースの主なボディタイプ比較
| タイプ | 荷室長さ（目安） | 荷室幅（目安） | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 標準ボディ | 約3000mm | 約1500mm | 小回りが利く・都内や狭い道路でも運転しやすい |
| ロング | 約3200～3500mm | 約1600mm | 一人暮らしの荷物なら十分に対応可能 |
| スーパーロング・ワイド | 3500mm以上 | 1700mm超 | 大型家具・家電にも対応可能。積載力に優れるが、取り回しはやや難しい |
スーパーロング・ワイドボディであれば、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電も余裕をもって積み込めます。
一方、標準ボディはコンパクトで取り回しやすく、都市部での使用に向いています。
積載量と運転のしやすさのバランスを考えて、目的に合ったグレードを選びましょう。
一人暮らしの引っ越しに適しているのはどのタイプ？
一人暮らしの引っ越しであれば、標準ロングボディでも十分です。
シングルベッド、2ドア冷蔵庫、洗濯機、段ボール20箱前後といった平均的な荷物量であれば、1台で積み切れるケースが多いです。
ただし家具の大きさや荷物の種類によってはスーパーロングを検討すると安心です。
家具・家電はどのくらい積める？主要アイテムごとの積載目安
シングルベッドやマットレスは入る？積み方のコツも解説
シングルベッドのマットレスは長さ195cm、幅100cm程度あり、ハイエースの荷室には縦方向に寝かせる形で無理なく積み込むことが可能です。
荷室の奥行きをしっかり活かせば、マットレスの形状を変えることなく収納できるため、型崩れや汚れのリスクも抑えられます。
ベッドフレームは多くの場合、分解して運ぶのが基本で、パーツごとに梱包すれば破損も防げます。
分解したフレームは壁面に立てかけるようにして配置すると、空いたスペースを他の荷物に充てられ、積載効率が上がります。
また、ベッド類はかさばるため、軽い布団や衣類などを上に重ねる形で積むと、限られた空間をさらに有効に使えます。
冷蔵庫（2ドア/3ドア）は立てて積める？倒しても大丈夫？
一般的な2ドア冷蔵庫（高さ140～155cm程度）は、標準ルーフのハイエースでは立てて積むのが難しい場合があり、フルーフモデル（約1720mm）を選ぶか、傾けて積むことを検討してください。
車内の高さが十分にある標準ボディであれば、冷蔵庫を立てたまま無理なく積み込めるため、運搬中の液漏れや内部機構のトラブルを回避しやすくなります。
3ドアや大型冷蔵庫の場合はサイズがさらに大きくなるため、スーパーロング・ワイドタイプのハイエースであれば立てて積むことが可能です。
特に冷蔵庫は構造上、倒して運ぶとコンプレッサーオイルが配管に流れ込み、運転時に故障の原因になるリスクが高いため、基本的には常に立てた状態で運ぶのが望ましいです。
積み込む際は、毛布や緩衝材でしっかりと保護し、走行中に動かないようロープやベルトで固定することも忘れないようにしましょう。
洗濯機の運び方と積載方法【縦型・ドラム式別に比較】
縦型洗濯機（高さ90～110cm）は、立てて積むのが基本で、倒して運ぶと内部の部品が損傷する可能性があるため注意が必要です。
排水ホースや給水ホースは事前に取り外し、洗濯槽の水も完全に抜いておくことが重要です。
また、ホース類や電源コードはまとめてテープなどで固定しておくと搬送中の絡まりや破損を防げます。
一方、ドラム式はサイズがさらに大きく、重量も80kg以上になるケースが多いため、取り扱いには十分な注意が必要です。
内部構造が精密なため、持ち運びの際には本体をしっかり保護し、傾けずに運ぶのが理想的です。
搬入出時には最低でも二人以上で作業するか、専用のスロープやキャリー台車を活用することで安全性が高まります。
特にマンションなどの階段を使う場面では無理せず、可能であればプロの引っ越し業者の一部サービスを組み合わせるのも一つの選択肢です。
自転車は積める？前輪の取り外しで収納効率アップ
ママチャリやクロスバイク程度であれば、前輪を外すことでハイエースにも収納可能です。
ホイールを外すことで全長が短くなり、荷室スペースを有効に活用できます。
積載時は車体を横倒しにして積むことで、ハンドルやペダルが他の荷物と干渉しにくくなり、荷崩れのリスクも軽減できます。
加えて、車体が傷つかないように毛布や緩衝材を敷いておくと安心です。
自転車カバーをかければ、他の荷物に接触した際に傷を防ぎやすく、車内の汚れも抑えられます。
さらに、空気を少し抜いておくとタイヤの弾力が減り、積載時に安定しやすくなる点も覚えておくと良いでしょう。
テレビ・電子レンジ・カラーボックスなど小型家電の配置例
32インチ前後のテレビは、クッション材を挟んで立てかける形で積載可能です。
液晶画面を保護するために、毛布やバスタオルでしっかりと包み、荷室の隅に立てるように配置すると安全性が高まります。
走行中の揺れによって倒れないよう、固定ベルトや緩衝材でしっかり固定することがポイントです。
電子レンジや炊飯器などの小型家電は、破損を防ぐために元箱があればそれに入れ、なければサイズに合ったダンボールにまとめておくと運びやすくなります。
特に電子レンジは重さがあるため、底が抜けないよう補強しておくと安心です。
カラーボックスは中身を抜いて軽量化し、立てたまま壁側に配置すると安定します。
必要に応じて、布やマットで底を保護し、滑り止め対策をしておくと積載中のズレを防げます。
ダンボールは何箱入る？引っ越し荷物の具体例でシミュレーション
一人暮らしの平均的な段ボール数と目安
一般的に一人暮らしの引っ越しでは、ダンボール15～25箱程度が平均的とされます。
衣類・本・キッチン用品など、細かい生活用品は意外と多くなりがちです。
大型家具を除けば、この数でも十分にまとまります。
荷物をまとめるときのコツと積み方の工夫
重い物は小さな箱に、軽い物は大きな箱に入れるのが鉄則です。
重い書籍や食器類などは持ち運びやすさを考慮して、10kg未満に収まる程度のサイズにまとめると腰への負担が減ります。
割れ物には新聞紙やエアキャップ（プチプチ）などの緩衝材をしっかり使い、衝撃を吸収させましょう。
また、箱ごとに中身をマジックなどで明記しておけば、搬入後の整理や荷ほどきもスムーズになります。
特に「すぐ使うもの」や「壊れ物注意」などの目印を追加しておくと、現場での判断がしやすくなります。
箱は可能な限りサイズを揃えておくと、ハイエースの荷室内での積み重ねがしやすくなり、デッドスペースの発生を最小限に抑えられます。
さらに、箱のフタをしっかり閉じておくことで、運搬中の崩れやすさも防げます。
パズルのように積む！スペース効率を上げるコツ
荷室の奥から重いもの→軽いものの順で積むと安定性が増します。
重い家電や箱を下段に配置することで、車両走行中のバランスが保たれ、荷崩れのリスクが大幅に減ります。
また、軽い荷物を上に積むことで荷物全体がコンパクトにまとまりやすくなります。
縦方向の空間を意識し、棚状に積み重ねると想像以上に多くの荷物が入ります。
積み重ねる際は、荷物が滑らないように滑り止めマットや滑りにくい素材を敷くと安定性が向上します。
隙間にはクッションや布団など柔らかいものを詰めて、荷崩れを防ぎましょう。
特にテレビやパソコンなどの精密機器の周辺には、衝撃吸収の役割として毛布を巻いた枕やバスタオルなどを活用すると効果的です。
空間の形状に合わせて詰め物を調整すれば、走行中の振動から荷物をしっかり守れます。
ハイエースを引っ越しで使うにはどうする？
自家用車を使う場合の注意点（駐車場・搬入経路など）
自宅や引っ越し先にハイエースを停められるスペースがあるかを事前に確認しましょう。
特にハイエースは普通車よりも全長や全高が大きいため、狭い路地や住宅密集地では駐車そのものが困難な場合もあります。
マンションの場合は、搬入口や荷物専用エレベーターの位置、使用可能な時間帯なども事前に管理会社へ確認しておくと安心です。
また、荷物の積み下ろしをスムーズに行うためには、周辺の交通状況や道路幅も重要なチェックポイントです。
道路が一方通行だったり、交通量の多い場所であれば、短時間でも路上駐車が難しいケースがあります。
可能であれば、早朝や夜間など交通量の少ない時間帯を選ぶと作業しやすくなります。
ご近所への配慮も含めて、作業時間や音の大きさにも注意しながら計画を立てましょう。
レンタカーを活用する場合の費用目安と借り方
ハイエースをレンタカーで借りる場合、時間帯や店舗によっても異なりますが、半日（6時間）でおおよそ5000～8000円、1日で10000～13000円が一般的な相場です。
ただし、この金額にはガソリン代や免責補償プランが含まれていない場合があるため、トータルコストでの比較が重要です。
ハイエースレンタルの費用例（目安）
| 利用時間 | 基本料金 | 補償・保険 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 半日（6時間） | 5000～8000円 | 1000～2000円 | 6000～10000円 |
| 1日（12～24時間） | 10000～13000円 | 1500～3000円 | 11500～16000円 |
また、走行距離に応じてガソリン代がかかるため、給油のタイミングや燃費も考慮しましょう。
とくに引っ越し繁忙期（3月・9月など）は需要が集中し、予約が取りづらくなる傾向があります。
希望する日程に借りたい場合は、2週間以上前からの事前予約が安心です。
ドライバー付きレンタルとの違い・メリット・デメリット
ドライバー付きなら運転に不安がある人でも安心して引っ越し作業を進められます。
プロの運転手が運転を担当してくれるため、道に不慣れな方や長距離の運転が苦手な方には大きなメリットです。
また、荷物の積み降ろしに関してもアドバイスを受けやすく、全体的な作業の流れがスムーズになります。
ただし、その分料金は通常のレンタカーと比べて1.5倍～2倍以上になることが多く、時間単位での料金設定となる場合が一般的です。
下記の表に、ドライバー付きと通常レンタルの費用感の違いをまとめました。
【ドライバー付きレンタル vs 通常レンタカー 比較表】
| 項目 | ドライバー付きレンタル | 通常レンタカー |
|---|---|---|
| 料金相場（1日） | 約20000～30000円 | 約10000～13000円 |
| 運転サポート | ◯（プロドライバーが対応） | ×（すべて自分で対応） |
| 時間の自由度 | △（契約時間に制限あり） | ◯（自分の都合に合わせやすい） |
| 手間と負担 | 少ない | 多い |
このように費用はかさみますが、その分移動の安心感や安全性、効率性を確保できるのが魅力です。
利用時間に制限があることも多いため、当日は荷物を事前にまとめておき、手早く積載・移動ができるよう準備しておくと時間短縮にもつながります。
ハイエース引っ越しでよくあるQ&A
「何回で運べる？往復するより積みきるべき？」
一人暮らしなら1回で積み切れるケースがほとんどですが、ベッド＋冷蔵庫＋洗濯機と大型家具が多い場合は2往復になることも。
搬出と搬入の距離や時間帯も考慮して、無理のないスケジュールを組みましょう。
「助手席にも荷物を載せてもいい？」
助手席に荷物を置くことは可能ですが、安全面からシートベルトを活用して固定することが大前提です。
また、エアバッグ作動時のリスクもあるため、貴重品や壊れやすいものは避けた方が無難です。
まとめ
ハイエースは一人暮らしの引っ越しに最適な車両のひとつです。
標準サイズでもシングルベッドや2ドア冷蔵庫、洗濯機、段ボール20箱前後まで積み込むことができ、工夫次第では1回で全て運ぶことも可能です。
荷室サイズの確認やグレードの選定、積み方の工夫をすれば、レンタカーでも十分に対応できます。
引っ越し費用を抑えたい方、自分のペースで引っ越しをしたい方にとって、ハイエースはとても頼りになる選択肢です。
この記事を参考に、効率よく・安全に荷物を運ぶプランを立ててみてください。
